広島〜鳥取に行ってから一ヶ月近く経っちゃったのでさっさと写真まとめてアップしよう…と思ったら、九月に行った温泉のアップもまだだったことを思い出した。そんなわけでだいぶ時間がたっちゃったけど温泉に行ったときのことを書きます。いつもにも増して退屈な日記だと思うけど本人は楽しかったのでまぁつきあってください。
高校時代の友人hとふたりでR高校温泉部OG会で、石和温泉に行ってきた。
私達の母校R高校には昔から温泉部はない。たぶん今も。だからOGしかいないのだが、ふたりで温泉に行く時は「部活」と呼んでいる。部活は今回3度目。場所は1回目熱海、2回目箱根ときて今回石和に決まった。
友人hは北海道からやってくるので、交通費削減のため飛行機のバーゲン期などを狙う。東京行きだと便が多いので東京から近い温泉地から選んでいる。ふたりで連絡をとりあいながらどこに行こうか考えるのはとても楽しいのだ。車がないから交通の便がよくて、観光も楽しめるところが望ましい。石和に行くと別の友人に言ったら、何やら意味深な顔をして、石和温泉は男の人が喜んで遊びに行くところというような話を聞かされた。でももう決めちゃったし、決定決定。
▼絶版ですが参考になりました
今回場所を決めていたころはちょうど白骨温泉の入浴剤や、伊香保温泉などの水道水疑惑などが話題になっていた頃だったので場所の決定には慎重になった。雑誌、ムック、インターネットを駆使して“源泉掛け流し”を売りにしている宿から探した。1年くらい前に買った「自遊人」というオヤジ雑誌の「源泉掛け流し特集」の中にあった、糸柳という旅館が良さそうだった。場所を見ると石和。山梨県だ。新宿から中央線で約90分。おお、これはもってこい、ということで石和名湯館糸柳に宿泊決定。山梨県はちょうどぶどう狩りシーズン真っ盛り。遊ぶのにもちょうどいい。この糸柳という旅館は温泉通で知られる(?)忌野清志郎が「自遊人」の中ですすめていたのだ。あんまりよくなかったら清志郎を恨むことにして、とある9月の晴れた日、私とhは石和温泉に向かった。
2泊3日の小さな旅だ。
新宿駅で待ち合わせてビールとおつまみを買ってあずさに乗り込んだら、あっというまに着いちゃった。
石和温泉は、昭和30年代に温泉が出た比較的新しい温泉地だ。駅のそばに観光案内所やお土産屋さんがあるものの、渓谷などがあるわけでなく、温泉街といった風情はあまり感じない。西友なんかがあって普通にみんなが生活してる地方の住宅地って感じだ。
チェックインまで時間があるので、荷物だけ旅館に預かってもらい、近所のワイン工場を見学した。見学はさせてくれるんだけど…この日は日曜日。工場は動いていなかった。ふ〜ん、と観てまわり、ワインやジュースをちびちび(だって試飲用のコップ小さいんだもん)飲んで、あっというまに見学終了。国産ワインってどうして甘いんだろうね。あんまり辛口なのは苦手だし、ワイン通ではまったくないんだけどどうも甘ったるく感じることが多い。ま、そんな感想はさておき、チェックインまではまだまだ時間があるので、何か歩いて行ける観光名所はないかと調べて、「信玄の里」というところに行くことにした。山梨と言えば武田信玄だ。そうなんでしょ? よく知らないけど。この信玄の里に信玄像があるそうなので、そこで観光写真でも撮りましょうということになった。
ちょっと歩くとそれはあった。入り口に大きな信玄像。とりあえず写真におさめて信玄の里へ。
信玄の里とは、お土産屋さんと宝石庭園だった。私は何か信玄ゆかりの資料館か何かだと思い込んでいたのだが、名産の宝石で庭園を作ったらしい。有料だったのでパスしましたハイ。
まだまだ時間はある。どうしようかhと話し合って、旅館に着いてから必要になりそうなものを買いに行くことにした。100均のCAN DOとか西友で買い物をして(なんか旅行っぽくない…)やっとチェックインの時間になるかならないかという頃旅館に行った。
▼窓からの景色
糸柳はなかなかいい旅館だった。部屋の窓から見下ろす先には川で鴨が泳いでる。水もきれいでときどき魚が泳いでるのも見える。向いに小学校があったり、普通の住宅があったり、野趣溢れる外観なんてのはなかったが、遠くに山が見えてそこそこのんびりした景観。
部屋でくつろいで、さっそく夕食だ。
今回、宿泊にはネットで見つけたクーポン券を使った。一日目は休前日でちょっとお高いプラン、二日めは安いプランなのでちょっと差があるのだ。一日目には貸し切り風呂使用権がついており、食事も部屋出し。
食事は超盛り沢山。でも全部食べましたよ。もったいないもん。さすがにほうとう、釜飯、白いご飯の炭水化物3連発はキツかったけど。でもおいしかったぁ〜〜。味が上品でね。甘過ぎず辛すぎず。ゆっくり堪能した。
そしてその後、貸し切り専用風呂がと〜〜〜〜っても良かったのだっ。
貸切風呂は作られてからまだ数年ということだが、木の温もりが感じられる素朴で古めかしい作りになってる。天井が高くて、照明にも凝っていて、ぼんやりほの暗い明かりが湯舟に向けられていた。お湯は透明で温泉臭もないけど滑らかで明らかに水道水とは違〜う!
部屋に帰ってもまだ空腹とは言い難い状況だったが、ワインで持ち込んだチーズや乾きものをつまみながらまた満腹状態に持ち込み、就寝。
翌朝はレストランでの朝食。しっかりした朝食のほかにバイキングが付いて来て、つい欲張ってまた満腹になる。これはいくらなんでも食べ過ぎだ。hと、昼は軽めに蕎麦を食べようということになる。…蕎麦と言えども昼は抜かずにしっかり食べる気満々なのよね。我ながら凄まじい食欲。
二日目は武田神社見てから昇仙峡に行って滝を眺め、影絵美術館を観る予定。
きのうの信玄の里はちとはずしたが、武田神社こそ信玄ゆかりの神社。まぁ私もhも武田信玄になんの思い入れもないし(歴史には疎いし戦国武将なら信長のほうが好き)、神社仏閣めぐりの趣味もないんだけど、とりあえず行っとけ、というかんじだったのだ。それでも武田神社は広々していてなかなか清々しい。パンパン、とお参りしておみくじ引いて(大吉!)、水琴窟という地面に埋められた竹筒に耳を澄ますと琴の音が聞こえると言う不思議なしくみで癒しの音を聴き、「信玄茶屋」という茶屋でひと休み。あんまりのんびりしても時間がなくなっちゃうので昇仙峡に向かった。
昇仙峡はなかなか広くて、ハイキングコースになっていて、美しい景観の観光スポットだった。
「ハイキングどうする〜?」
「え〜だるーい。時間もないしね」
ということで滝を観たあと蕎麦かっこんで、バスで影絵美術館に。
観光地に行くとなんでこう美術館が多いのかな? オルゴール美術館とか、ガラス工芸とかトリックアートとか、あっちこっちにない? 伊香保の竹久夢二とか、箱根の森とか星の王子様ミュージアムとか予想外に内容が充実していて感心することもあるけれどね。
影絵美術館は予想よりずっとよかった。影絵アーティストの藤城清治さんは私位の世代の人にはとても馴染みのあるアーティストだと思う。ずいぶん長いこと宇津救命丸のテレビCMで作品が起用されていたし、木馬座のケロヨンやベーパックなどのキャラクターも大好きだった。大きな瞳の三角頭巾の小人たちが横笛吹いたり遊んでいたりする図柄を観ていると、とても懐かしい気分に浸れる。影絵って不思議で、郷愁と同時になぜか寂しさやもの哀しさも感じさせるところがある。それは嫌な感じでは決してなく。もう二度と昔には戻れないんだなぁ、なんて感じのセンチメンタリズムとでも申しましょうかね。大作がたくさん展示されていて、美しさに圧倒される。水や鏡を用いた展示演出も効果的。そんな感じでしばし魅せられた。常設で山下清さんの作品の展示や内海桂子さんの展示も多数あり、ゆっくり観て回った。水木しげるさんの作品展示も開催されていて意外な場所で大好きなねずみ男さんの絵も観ることが出来た。
石和温泉駅に戻ってきて、また西友で買い物し(好きだよねぇ)宿に戻った。
2日目の夕食は1日目より少々ランクダウンということで、部屋出しではなくお食事処で食べた。ランクダウンとは言ってもやはりすごいごちそうで、またしても食べ過ぎた。
お風呂も貸切はなしだが、それほど混んでいず、露天もとても気持ちよかったので大満足だ。
明日もう帰っちゃうんだよね、しょぼーんなどと語り合いながらまたワインを片手に遅くまでしゃべっていた。
翌朝もしっかり朝ご飯を食べ、チェックアウトの時間ギリギリまで宿で過ごした。
3日目はぶどう狩りをする予定。雨に降られなくてよかった。朝食からまだ間がないため、すぐにぶどう狩りに行くのはちょっとキツいと考え、一日目に行ったワイン工場とはまた別のワイン工場を見学することにした。1日目は工場が閉まっていたからすぐ観終わっちゃったけど、今回はもう少し時間が持つんじゃないかと、ぶどう園方向のワイン工場に行った。なるほど、工場が動いているとちょっと楽しい。バスでやってきた観光客についていたガイドさんの説明を盗み聞きしながらフンフン、と観てまわった。試飲もたっぷりいただいて、午前中からほろ酔い気分でご機嫌だった。
さて最後のイベントぶどう狩り。
ぶどう狩りは初めてなので張り切っていた。絶対元を取ってやる〜とセコい意気込みでおいしそうなぶどうを物色した。思ったより低料金。巨砲がなかったからなのかな。ぶどうは黒いの、緑の、茶色いのの3種類。全種類制覇して、それから特に気に入った黒いのを2房食べたからかなり食べた方だと思う。もう満腹でお昼ご飯は無理。初めてのぶどう狩りはあんまりたくさん収穫できないのがちょっと残念だった。きのこ狩りとか栗拾いならもっとたくさん採れるでしょ? そういうイメージだったのだ。お土産買うわけじゃなし、あんな大きいものそんなにいっぱい採るわけないんだけど。
ぶどうでタプタプになった胃をおさえつつ、かいじにて帰る為、駅に向かった。
それでもめげずに帰りの電車の中でも飲み食いを続ける私達なのであった。夕方新宿駅に着いて、友人はその日妹夫婦の家に泊まる為、丸の内線駅まで見送ってから帰路についた。
体重は有り得ない程増加していた。
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