2005.02.17

『Ray レイ』を観に行った

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レイ・チャールズは偉大なミュージシャンだ。
いくつかのヒット曲とそんな誰でも知ってる程度の知識しか持ち合わせていないけれど、偉大なミュージシャンの人生をざっと辿るつもりで『Ray レイ』を観に行った。
思っていた以上にいい映画だったと思う。

あらすじを書いてしまえば、貧困、肉親との死別、失明、成功、恋、ドラッグ、愛人、人種問題…とサクセスストーリーに欠かせないエピソードてんこ盛りだけれど、割り合いが上手く飽きなかった。ホントにあったことだしね。伝記を観るような、「押さえとこ」気分で行くと結構やられる。

不覚にも泣けてしまったのは母とのシーン。幼いレイを決して甘やかさず、厳しく育てたお母さんは強くて立派!!
それと音楽はやっぱりすばらしい。ライブやレコーディングのシーンがとても楽しい。レイ・チャールズの曲はあまりに有名で、たくさんの人がカバーしているので、そっち方面に疎い私はオリジナルがレイだとは映画を観るまで知らなかったものもいくつかあった。こんなにたくさんの曲を生み出していたんだなぁ。ただただ感心だ。昨年亡くなってしまったのが残念。

しかし子供が全部で12人もいたっていうのはビックリだ。天才で商売上手で気のいいレイはモテたんだなぁ。
ジェイミー・フォックスはレイ・チャールズが乗り移ったかのように、そしてとってもチャーミングに彼を演じていた。そりゃ賞も獲りますわ。

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スーパー・ベスト
〜オリジナル・サウンドトラック:レイ

レイ・チャールズ

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2005.02.16

『トニー滝谷』を観てきた

トニー滝谷』を観てきた。
切なーい映画だった。
『トニー滝谷』は村上春樹の短編だそうだが、私は読んだことがない。村上春樹の小説はあまり好みでないように思っている。といっても『風の歌を聴け』しか読んだことがないんだけど。『ノルウェイの森』も『ダンス・ダンス・ダンス』も読んでないし最近のなんだっけヒット作…も読んでいない。読んでみてもイイかなと思っている。『風の歌を聴け』を読んだのはたしか10代の終わり頃のことだったと思うので感じ方が変わっているかもしれない。彼のエッセイはおもしろいので好きだ。でもエッセイよりそのイラストを描いている安西水丸さんのほうが好きだったりする。

話を『トニー滝谷』に戻すと、とても静かで淡々とした語り口の映画だった。西島秀俊のナレーションと坂本龍一のピアノ曲も静かで優しい。
何より、独特のアングルとぼんやりした色調が好きだなぁと思った。
ぼんやりした空をスコーンとバックにしたトニー、とか、いーい感じの絵だなぁと思った。湯舟に浸かる絵とか、がらんとした部屋とか、窓から見える夜景とか、服が風になびく英子とか、おしゃれな靴を履いた足元とか。

すごく感じた。人生の空しさとか絶望とか喪失感とかそういうの。とっても救われないんだけど人生ってそんなものかもしれないっていう感じ。少しずつ記憶は薄れゆき、そのとき最終的に記憶に残っていたものが現在、形あるものだったことは、もしかして救いなのかもしれないとも思う。何でしょう、美しくも哀しいものを切り取って観せられたような気持ち。

宮沢りえは綺麗だなぁ。この人はいいこともつらいこともちゃんと消化して大人の女性になったんだろうなと思う。きっと年をとっても美しい女性であり続けるだろう。もしあんな華奢な身体、すらりと伸びた手足が私にあったなら、やはり服を買いまくるだろうと、映画とはまったく違う次元でそう思った。

イッセー尾形は今何歳なんだろう。
初めてテレビで観たのはたぶん20年以上前じゃないかと思うのだが、そのときとあまり印象が変わらない。昔からオッサン顔だった気がするのは彼が演じてきたキャラクターにサラリーマンのおじさんがあるからかもしれない。くるくる変わるキャラクターはお手の物だが、映画の中での学生時代の役はちとつらかった。実年齢より年上の、省三郎の役は巧みだったが。イヤ、でもやっぱり上手いです。

市川準監督の映画は…映画は、と語るほど観ていないが(これ3つめ)、好きだと思う。優しい。哀しいけど、突き放してはいないさじ加減という気がする。

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2005.01.18

ニフティ映画大賞inココログ 投票します

年末に発表した私設映画賞とダブるんですが、ご丁寧なコメントをいただきましたので張り切って日本映画、外国映画の両方に参加させていただきます。

『ニフティ映画大賞 投票フォーマット 』

 投票部門 日本映画

 [作品賞投票ルール]
 ・選出作品は10本まで
 ・持ち点合計は20点
 ・1作品に投票できる最大は10点まで

【作品賞】(投票枠は10本まで自由に増やして下さい)
  「きょうのできごと」   1点
  「花とアリス」   2点
  「深呼吸の必要」   3点
  「マインド・ゲーム」   3点
  「誰も知らない」   4点
  「オーバードライヴ」   1点
  「恋の門」   1点
  「笑の大学」   2点
  「ハウルの動く城」   3点
【コメント】
持ち点20はちと厳しいです。次点『ポータブル空港』。
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【監督賞】              作品名
   [宮崎駿] (「ハウルの動く城」)
【コメント】
   完成度が高いと思います。楽しめました。


【主演男優賞】
   [柳楽優弥] (「誰も知らない」)
【コメント】
   「きょうのできごと」の妻夫木聡も良かったです。


【主演女優賞】
   [蒼井優] (「花とアリス」)
【コメント】
  同じく「花とアリス」の鈴木杏ちゃんも良かったので迷いました。


【助演男優賞】
   [松尾スズキ] (「恋の門」)
【コメント】
   いやぁ、中年男の悲哀が良かったです。
   「きょうのできごと」、「オーバードライヴ」(これは主演だけど)の柏原収史、
   「深呼吸の必要」の谷原章介もいい味でした。


【助演女優賞】
   [小島聖] (「恋の門」)
【コメント】
   10代の頃のイメージしかなかったので艶っぽい演技に驚きました。


【新人賞(キャスト部門)】
   [柳楽優弥] (「誰も知らない」)
【コメント】
   泣けました。いい芝居するよなぁ。
  

【新人賞(スタッフ部門)】
   [松尾スズキ] (「恋の門」)
【コメント】
  楽しい映画に仕上がってました。初めての映画とは思えません。


【脚本賞】作品名
   「笑の大学」
【コメント】
  脚本家の力あってこその映画だったと思います。


【映像賞】
  「マインド・ゲーム」
【コメント】
  ストーリーも良かったけど絵的な疾走感がなんとも気持ちよかったです。アーティスティックで庶民的!


【音楽音響賞】
   「ハウルの動く城」
【コメント】
   久石氏の音楽が映像にマッチしてすばらしかったです。


以上日本映画部門でした〜。
続きまして外国部門に投票します。

 投票部門 外国映画

 [作品賞投票ルール]
 ・選出作品は10本まで
 ・持ち点合計は20点
 ・1作品に投票できる最大は10点まで

【作品賞】(投票枠は10本まで自由に増やして下さい)
  「ロード・オブ・ザ・リング/王の帰還」   1点
  「スクール オブ ロック」   3点
  「ロスト・イン・トランスレーション」   3点
  「ビッグ・フィッシュ」  5点
  「21グラム」   2点
  「ナイトメアー・ビフォア・クリスマス」   4点
  「ヴィンセント」   1点
  「フランケンウィニー」   1点

【コメント】
  点数割り振るのが難しいです…。「ビッグ・フィッシュ」が一番ツボでした。

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【監督賞】              作品名
   [ティム・バートン] (「ビッグ・フィッシュ」「ナイトメアー・ビフォア・クリスマス」「ヴィンセント」「フランケンウィニー」)
【コメント】
  今年観たティム・バートンの作品は古いものもありましたがどれもとても楽しかったです。


【主演男優賞】
   [ジャック・ブラック] (「スクール オブ ロック」)
【コメント】
  すばらしくハマってました。他に考えられないほどの適役でした。
  「ビッグ・フィッシュ」のユアン・マクレガーも良かったです。

【主演女優賞】
   [ダイアン・キートン] (「恋愛適齢期」)
【コメント】
   若々しく、かわいらしく、私の知らない彼女のコメディエンヌぶりを堪能させていただきました。


【助演男優賞】
   [ベニチオ・デル・トロ] (「21グラム」)
【コメント】
   映画とともにずっしり重く印象に残る演技でした。


【助演女優賞】
   [サリー] (「ナイトメアー・ビフォア・クリスマス」)
【コメント】
   スイマセン、他に浮かばなくて。サリーかわいかったです。


【新人賞(キャスト部門)】
   [エヴァ・グリーン] (「ドリーマーズ」)
【コメント】
  無垢で妖艶。気になる女優さんです。


【新人賞(スタッフ部門)】
   [該当者なし] (「        」)
【コメント】
  スイマセン、どなたが新人か存じ上げませんので。


【脚本賞】作品名
   「ビッグ・フィッシュ」
【コメント】
   原作がいいのか、脚色がいいのかわかりませんが、ストーリーがとても好きです。


【映像賞】
  「ロスト・イン・トランスレーション」
【コメント】
  東京を美しく見せてくれてありがとう!


【音楽音響賞】
   「スクール オブ ロック」
【コメント】
   音楽の持つ力に感動しました。子供達の演奏もすばらしかったです。


以上です。今年もいい映画にたくさん出会えますように。

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2004.12.30

第1回110映画祭

みなさんこんばんは!
暮れも押し迫ってまいりました。
第1回110映画祭、映画賞の発表を行いたいと思います。
選考基準は私が今年映画館で観た映画作品31作からとなっています。
ノミネート作品は以下の通りです。

ロード・オブ・ザ・リング/王の帰還
恋愛適齢期
きょうのできごと
花とアリス
幸せになるためのイタリア語講座
スクール オブ ロック
トロイ
ロスト・イン・トランスレーション
ビッグ・フィッシュ
21グラム
赤目四十ハ瀧心中未遂
深呼吸の必要
キューティーハニー
ポータブル空港
ラブドガン
マインド・ゲーム
ドリーマーズ
16歳の合衆国
華氏911
誰も知らない
珈琲時光
モナリザ・スマイル
父、帰る
オーバードライヴ
恋の門
コマネコ#3
ナイトメアー・ビフォア・クリスマス
ヴィンセント
フランケンウィニー
笑の大学
ハウルの動く城

うーん、偏っているような節操がないようなセレクトですね。
それでは映画賞の発表です!


男優賞
ジャック・ブラック『スクール オブ ロック』

女優賞
ダイアン・キートン『恋愛適齢期』

アニメ部門賞
マインド・ゲーム

邦画部門賞
誰も知らない

脚本賞
三谷幸喜『笑の大学』

音楽賞
久石譲『ハウルの動く城』

監督賞
ティム・バートン『ビッグ・フィッシュ』『ナイトメアー・ビフォア・クリスマス』『ヴィンセント』『フランケンウィニー』


そして作品賞は!

ドロロロロロロロ…(ドラムロール)


『ビッグ・フィッシュ』です!!


総評
ショートフィルムも含めて年間30作品というのは私にしてはとても多く観た年でした。それでも観たかったのに観逃してしまった作品がたくさんありました。来年はもっと劇場に足を運びたいと思います。
男優賞…いい俳優さんがたくさんいるのでとても迷いましたが、『スクール オブ ロック』はジャック・ブラックでなくてはあの味は出なかったであろうということで、決定しました。『きょうのできごと』の妻夫木聡、『誰も知らない』の柳楽優弥、『21グラム』のベニチオ・デル・トロも印象的でした。
女優賞…こちらはスンナリ。ダイアン・キートンは若くてかわいくて魅力的でした。『花とアリス』の鈴木杏と蒼井優、『恋の門』の小島聖もよかったと思います。
アニメ部門賞…ティム・バートンも宮崎駿もすばらしいのですが、『マインド・ゲーム』がツボでした。ティム・バートンや宮崎駿は放っておいてもたくさんの人が観るので、『マインド・ゲーム』もぜひ観てね、というかんじ。
邦画部門賞…『誰も知らない』は今年一番重かった邦画。胸が詰まりました。
脚本賞…すばらしい脚本だったと思います。いい話だっ!
音楽賞…この音楽なくしては『ハウルの動く城』の世界は成り立ちませんでした。
監督賞…今年たくさん観たこともあり…。ティム・バートン監督作が全部おもしろかったので監督の才能だと思いました。
作品賞…本当に、心に残る大好きな作品です。
今年は良い作品にたくさんめぐり合えて幸せな年でした。

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2004.12.16

『ハウルの動く城』やっと観た

ハウルの動く城』はどうも賛否両論だなーと巷の意見を聞いて思っていた。
TVBros.の特集トビラでは酷評してたし。
観に行った友人が言うには、
「ファンタジックな恋愛モノだから女の子のほうが好きかもね」。
そっかー、私は宮崎アニメは前にもちょっと書いたけど、『未来少年コナン』、『ルパン3世 カリオストロの城』、『天空の城ラピュタ』あたりの冒険ものが大好きなのでちょっと違うかなと思いつつ、過度の期待は禁物と心得て観に行った。以下ネタバレ注意。


誰? これを酷評する人は。
いったい何と比べて?
私はとってもすてきな話だと思ったけど。
確かにファンの欲目と言われればそうかもしれない。でも、私は冒頭からすっかり魅了されましたよ。城動いてるの見て。ハウルの現れ方、カッコよすぎ! 軍人さんに絡まれてるとこを助けるなんてのはベタだけど。軍人さんしつこいけどコワイ人たちじゃなかったし。しかし、未だかつてあのような美青年が宮崎アニメに登場したことがあったでしょうか。ナルシストなとこもかわいいじゃないですか。ソフィーの手をとり微笑むハウルにうっとりだぁ。空中歩行シーンでは無条件に涙! これよこれ! これが観たかった!! 思うツボなんだろうなぁ。でもいいや。
ソフィーはすぐおばあちゃんの姿になってしまうものの、典型的な宮崎美少女の流れですよね。心優しく、明るく、芯が強い。私はクラリス、小山田マキ、シータあたりのキャラの顔立ちが一番好きなんだけど、まぁそれは好みの別れるところで。最近のほうが好きという人もいるでしょう。
それぞれのキャラもとっても魅力的で、楽しいおとぎ話を観たというかんじ。
私は客観性を失っている。もう宮崎監督の新作キャラが大画面を走り回ってるというだけでもう。あのうっとりするほど美しい背景と久石氏の音楽でもうもう。
しかし、正気に戻って言えばちょっと残念に思ったのは倍賞さんの声かな。声質が、少女でも90歳でもない。実年齢に近いんだなぁ。ジブリのアニメは声優をあまり使わないけれど、名優が名声優とは限らない。18歳から90歳まで、声だけで演技するのは大変なことだ。演技力があっても声質が合っていないと感じた。『ホルス』のヒルダ・市原悦子くらい微妙な気分。
一方、木村くんは良かった。ハウルに違和感がまったくなかった。ドラマで見るような木村ワールドじゃなかったし、役にハマっていたと思う。
それとソフィーの感情に合わせて若くなったり戻ったりするのは、ちょっとわかりにくい。 マルクルもカルシファーも反応しないということは、実際にはおばあちゃんのまま、観客とハウルだけが本来の姿を見ているということなのかな? それなら髪の色も戻した方がわかりやすいように思った。

新作を作る度にめちゃめちゃ高い評価を受けなくてもいい。日本映画の興業成績更新しなくていい。毎回有名な賞を受賞していてはプレッシャーが増すばかりだし、大好きな『天空の城ラピュタ』は多分無冠だけど(違ったらゴメン)すばらしいことを私が知っている。そうだね、3回つくって1回大当たりしてくれればいいと思う。次回作を作るのに十分な時間と潤沢な資金を得られ、スタッフが情熱を傾けられる環境を維持できればそれでいいの。そんなふうに思った。

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ハウルの動く城 サウンドトラック
久石譲

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2004.12.10

『笑の大学』やっと観た

上映開始からずいぶん経ったし、すんなり座れるだろうと思ってようやく『笑の大学』を観に行った。
以前書いたが、私は三谷さんの脚本が大好きで、その中でも、舞台『笑の大学』は特に好きな作品で、反面、星護さんの演出が好きじゃないのでこの作品はとても微妙な気持ちなのだ。まったく期待しないわけではなかったが、きっと舞台を超えることはないだろうという思いは常にあった。
鑑賞し終えて、やはりその思いは強かった。
脚本がすばらしいので、もちろん完成度は低くない。演出もそれほど星護色は強くなく、まぁまぁだったと思う。でもね、やっぱり舞台と比べちゃうと…。先に観たのが舞台だから余計にそう感じるのかもしれない。映画は、楽しませ、感動させてくれた舞台をなぞるような気持ちで観てしまった。
きっとこの作品に初めて触れる人には十分楽しめる作品になっていると思う。

役所広司も吾郎ちゃんも難無く演じていたが、吾郎ちゃん少し髪が長過ぎるのでは? 戦時中の時代考証にはまったくくわしくないのだが、戦時中にしてはいくら自由な気風の職業とはいえ、もう少し短くしたほうがいいんじゃないかと思った。坊主にしろと言っているのではない。アイドルでなく本格的な役者なのなら、役作りとして、少し髪形をいじるくらいの意気込みがほしかったと思うのだ。体重を20キロ、30キロ操作する俳優が存在するのだから、たった1、2ヶ月、椿一のために、こだわりの髪をほんの少し切るくらいの気概をもって役に臨んでほしいと思った。

もうひとつなんとなくイメージとずれを感じたのが、全体の雰囲気。わざと貧乏臭くする必要はないけれど、なんとなく全体に漂う感じが、戦時中というより、大正ロマン。使ってる書体のせいか、それとも建物のデザインのせいか。建物は昭和初期に建てられたものをロケに使ったというからウソではないのだが、洋風建築のすてきなレトロ建物はやっぱりちょっと星護趣味が垣間見えるようで嫌だったな。今回古代ローマ調はなかったものの、やっぱり柱は丸いのね。

でも、細かい文句はあるけど、いい話です。きっぱり。

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笑の大学サウンドトラック

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2004.11.10

『未来少年コナン』を見よう

「テレビアニメ、今まで見た中で何が好き?」
ともし聞かれたら(聞かれないけど)、私は間違いなくこれだ。

『未来少年コナン』

この作品がひさびさにNHKで再放送されている。
テレビ東京で放送されたのは数年前に見たことがあるが、本元のNHKで放送するからには、オープニングやエンディングもカットされないし、CMが入らないのに番組の間に入るアイキャッチの「ぱたぱたラナちゃん」も見られるってことだ。

未来少年コナンNHKサイト
毎週木曜日 教育テレビ 午後7:25〜7:50放送中

『未来少年コナン』は言わずと知れた宮崎駿監督の第1回監督作で代表作で、NHK制作の連続アニメ第1号だった。若い人は観たことがない人も多いと思う。宮崎駿監督の名前が一般の人たちに広く知れ渡ったのは、『風の谷のナウシカ』上映後のずっと後だし、映画と違って1本レンタルして観るわけにいかないし、再放送も少ない昨今、気合い入れないと全26話観るのは結構大変だ。
宮崎駿監督作品は、「唯一デートに使えるアニメ映画」という位置付けになってる気がするけど、
「私、宮崎駿のアニメって他のアニメと違って好きぃ〜ジブリいいよねーッ」
なんて彼氏にしなだれる小娘(ひがみ?)はきっとコナンは観たことがないだろう。せいぜい「トトロ」「魔女宅」「千と千尋」?
ドランクドラゴンの塚地クンのオタキャラのセリフみたいだけど、『未来少年コナン』観ずに宮崎駿を語ってほしくないねっ。だいたい「他のアニメと違って」って他のアニメなんて観たことないだろがっ。雰囲気で言うな。

ハッ! 姿のない幻影に怒ってしまった。

そんなふうに威張っている私だが、実は私も本放送で観たわけではない。『未来少年コナン』が放送されていた当時、私は松本零士ファンのすかしたガキだったので、
「え〜NHKでしょ? なんか真面目っぽーい。SFなのに丸っちいメカしか出てこないし絵が名作劇場みたいだし」
などとほざいて、おもしろいと薦めてくれた友達の友情を無にしていたのだ。
そのときファンだった松本零士作品にしても、
「999のテレビ版は絵がひどいねぇ。7話くらいまではきれいなのにね」
などと批判するヤなガキだったなぁ。
あ、昔話モードに突入してる。もう大した情報はないので興味がなければスルーしてね。

それから数年経って、私は校外でオタク活動を始めたの。
校内ではちょっぴりマンガ好きの体育会系明るい普通少女を貫きつつ(だって友達できないじゃん)、外でオタ仲間と同人誌作ったり、ガンダムの映画に徹夜で並んでフィルムしおりもらったりしてました(恥)。
所属していた特撮マンガアニメサークルの上映会で初めて『未来少年コナン』に出会ったんだな。
サークルの会長でちょっと年上の特撮オタクでロリコンな(最悪…)Rさんが所蔵していた『未来少年コナン』を、ホールの会議室借りて人を集めて2日に分けてぶっ通しでみんなで観ましょうという会があったのだ。それはテレビから録画したものと思われ、今にして思えばもちろん違法なのだがそんなこと思う人は誰もいなかった大らかな時代だった。まぁ時効でしょう。ごめんなさい。

2日続けて観た作品はすばらしかった。ああ、こんなすばらしい世界があったとは! 細部にこだわって大切に大切に作られたのが伝わってくる名作だ。『カリオストロの城』も『天空の城ラピュタ』も原点はここだと思っている。ま、原点は『ホルスの大冒険』という人もいるかもだけど、私はとにかく完成度において『未来少年コナン』をイチオシいたします。正しい心を持った少年と少女がまっすぐな心で冒険を重ね、あらゆる困難をくぐり抜け、愛と友情で幸せを切り開くストーリー。宮崎駿の持ち味、醍醐味は冒険。思春期の少女の心の成長を描いたり、男の美学を唱えたりすることよりも、わくわくする冒険活劇が真骨頂だと思う。自然破壊を憂い文明社会に問題提起する作品も宮崎作品の中には見受けられるが、『未来少年コナン』においては、もちろんそういったメッセージは絶えず含まれつつも、それはテーマではない。冒険心と、正義を愛する一点の曇りもない心と、人間同志のふれあいだ。と思う。
次から次からさらに強い凶悪な敵が出てくる作品が多い中、この作品で本気で悪いのはレプカだけ! あとは小者とどこか憎めない人たちばかりだったっけ。ホントストーリー勝負なのだ。単なる盛り上げとかおためごかしじゃなくて、すべて必要なエピソードに思える。

はー熱く語った。こんなわけですからたくさんの人が観たらいいなぁ。
『ハウルの動く城』観たい人はいい機会なのでこっちもぜひ。

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未来少年コナン 1

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2004.11.08

ヘンなCM

資生堂メディカル「フェルゼア」のCMがヘン。
渡辺満里奈が明るく楽しく「尿♪」「尿♪」歌い踊るCM。
資生堂のwebには「ニョニョニョクリーム」篇、と書いてあるけど、尿素配合のクリームだからどう考えても「尿」ですよね?元アイドルなのに…。

渡辺満里奈オフィシャルWEBはかわいらしいですけども。

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2004.10.31

テジナーニャっ

たしかに山上兄弟はかわいいし、ふじいあきらのマジックはすごい。

でも最近のテレビのバラエティ番組でのマジックの扱いには少々飽きてきた〜。
構成作家さん、オリジナリティ発揮してください。


ちなみに4コマまんががなにげにおかしいふじいあきらオフィシャルサイトこちら

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2004.10.28

『ナイトメアー・ビフォア・クリスマス』

ナイトメアー・ビフォア・クリスマス』デジタル・リマスター版を観てきた。
この映画大好きぃぃぃ。なのだが劇場で観たのは初めて。
素敵だぁ。世界に入っちゃうんですよ。どうしてこんなに美しくも個性的な造型を創りだせるのかしらん。キャラや建物や木や鉄柵や色や、ホントに美しい。特に夜や闇を描くのがどうしてこんなに上手いんでしょうこの人は。最後のシーン、つららができた先端うずまきの崖の上、大きな月をバックにしたジャックとサリーのシーンにはウットリです。美しい! エクセレント!! 泣いちゃいましたもの。イヤ泣いてたの私だけだけど。

同時上映の、『ヴィンセント』もおもしろかったし、『フランケンウィニー』も良かった。
『ヴィンセント』って'82年作になっているけどこの頃もうすでに世界観が完成されておるのですね。絵柄のせいかshockwaveの『ステインボーイ』彷佛とさせます。
『フランケンウィニー』はつぎはぎのワンコがかわいくて。子供と動物にはホローリきます。群集(というほどの人数ではないが)に追い詰められる様は『シザーハンズ』の原点? って思った。
ティム・バートンってファンタジックだけどどこかちょっとダークでいいんだなぁ。大画面で観られてよかった。残念だったのは字幕を追っていると絵を見逃してしまうこと。他の映画でもそうだけど特にこういった作品は造型や動きに醍醐味があるので、字に気をとられるのはちとつらい。吹き替え版みたほうがよかったかなぁと思いつつ、ああおもしろかった。

B00006LSZ3.09.LZZZZZZZ
ナイトメアー・ビフォア・クリスマス
Nightmare Before Christmas

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