グッゲンハイム美術館展
行こう行こうと思っていてなかなか行動に移さないでいたら今日が最終日。どうも不精でいけない。森美術館でやってたMoMA展も見逃しちゃったし、映画『茶の味』ものろのろしているうちに見逃しちゃったし。で、観たいと思ってた『恋の門』も観ることにして久しぶりに渋谷に行った。
グッゲンハイム美術館には思い出がある。
あれは私がNYに住んでいた時のこと…
というのはウソで、NYに観光旅行へ行ったときのことだ。へへ、ちょっとカッコつけたかった。
当時NYに住んでいた友人Sちゃんを頼って遊びに行ったのだが、メトロポリタン、MoMAと案内してもらいながら観て回り、
「じゃあ私はこれから仕事だから」
と、取り残されてたった独りで向かった初めての場所だった。
英語はまったく話せないけどガイドブック(お馴染み『地球の歩き方』)は持っていたし、美術館なら観光名所だからすぐわかるだろうと思っていたのだが、イエローキャブのドライバーも場所を知らなかった。ガイドブックに出てる住所を見せたものの、
「多分このへんだよペラペーラ」
と適当に車を降ろされて、うろうろ探した。街行く人に尋ねても誰も知らない。何人も尋ねてやっと一人、
「この住所だとおそらくこっち行ってこう曲がってああじゃないかしら?ペラペーラ」
と教えてくれた人がいて、ようやく辿り着くことが出来た。あれほど、学校でもっとちゃんと英語勉強しておくんだった、と後悔した時はなかったなぁ。
グッゲンハイム美術館は思ったより大きくなかった。洒落た建築物だけど、背がそんなに高くないしわかりにくかったのだ。方向オンチだし。
内容は、実はあまり覚えていなかった。だってメトロポリタンとMoMA観た後でしょ? どこでどれを観たんだったか今一つ判然としないのだ。コンテンポラリー系が多かったように思ったけどMoMAもそうだし。で、再確認の意味もあって今回是非行きたかったのだ。長ーい前置き。
Bunkamura ザ・ミュージアムはあまり広くはないけど、いい作品が揃っていたと思う。そんなに混んでいなかったし観やすかった。前にも観た作品かどうか怪しいものも多々あったけど、有名な作品も多く、美術の教科書を見るような顔ぶれの豪華さ。
私がいいな〜と思ったのはモンドリアンの『コンポジション8』。『青の菊』も美しいけど、モンドリアンは微妙な色がやはり。もし自分の部屋に飾っていいとしたら絶対これ。
それとピカソの『黒いマンティーラを掛けたフェルナンド』。これは物憂気な表情がなんとも気になるです。私は美術には疎いので言われなきゃこの作品はピカソとわからないけど素敵。
もうひとつピカビアの『ミスタンゲットの肖像』。こういうマットな、言い方が正しいかどうかわからないが、イラスト的な絵は大好き。
どうも好き、嫌い、でしか芸術を語れない。気持ちのいいものが好きで気持ち悪いのは嫌い。不思議は好きだけど不気味は嫌い。訴えかけられる作品に感動することはあるけど、憎悪や苦しみが出発点になっているような作品は深い哀しみを感じることはあってもあまり好きではない。
抽象画は色や形やテクスチャーで好き嫌いを判断できるので楽しい。解説を読むと、そういう意味があったのかーと感心したりもするけど、「…と解釈できる」と書いてあると、なんだ想像じゃん、と思っちゃう。
具象画も、描かれたバックボーンを知るとより深く作品に触れることができるのだろうけど、1枚の絵として説明なしにただ感じることのほうが私には心地いいかも。
芸術を理解する人には叱られちゃうかもしれないけど今後も自分の好き嫌いを頼りに鑑賞していこうと思うのだった。
絵画観賞後観た『恋の門』についてはまた後日。
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