『ビッグ・フィッシュ』
水曜日ひとり勝手に実施した“梅雨の映画祭り”の第2弾。
『ビッグ・フィッシュ』を観た。
ティム・バートン監督の作品はもともと好きなのだが、
その中でも一番好きな作品となった。
父エドワードが語るおとぎ話が楽しくワクワクし、
いつしか夢中になり、エドワードが大好きになってしまう。
不思議で奇妙でどこか懐かしく愉快でファンタジックな映像は
バートン節炸裂というかんじだ。
息子ウィルが、そのどこまでが真実かわからない話に成長とともに反発し、
真実を追い求める気持ちもよくわかる。
息子にとってそこに居てほしいのは
伝説のヒーローじゃなくて実存する生身の父親だ。
しかしそのたくさんのおとぎ話にエドワードの真実があることに、
ウィルが気づいてほんとに良かった。
映画館で号泣してしまってしばらく席を立てなかった。
後ろの席のカップルが、
「笑えるいい映画だったねー」「そうだね」と語り合い出て行ったので
え!? 泣いてるの変かなぁ? と思って急いで涙を拭ったが
帰宅後公式サイトを見たら同じ感覚の人がたくさんいたので
変じゃないなと安心した。
10代の頃亡くした父の事を思い出した。
口が達者で昔の自慢話や武勇伝を
おもしろおかしく語ることが大好きな人だった。
皮肉屋で努力が嫌いで生活レベルの割にプライドの高い人でもあったので
エドワードのように皆から愛されての最期ではなかったが
なんとなくダブらせて余計に胸が熱くなった。
思春期を過ぎると何度も聞かされる武勇伝に飽きて
反発する気持ちも芽生えたが今は懐かしい。
尊敬できる人ではなかったが愛していたと思う。
そんなこともあってか、関係なくかわからないが、
エドワードとウィルの親子の在り方に素直に共感し、感動した。
The comments to this entry are closed.
Comments