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2004.06.21

『オレンジデイズ』最終回

ドラマ『オレンジデイズ』が終わった。
何本が飛ばしたが最後まで見た。
最後まで見た、ということはおもしろかったのかなと思うが
北川悦吏子の作品の中では凡作だったかなぁとも思う。
北川悦吏子は恋愛もの、青春ものが得意だ。
彼女の作品には、良質の少女マンガの匂いがする。
きっと少女の頃、くらもちふさことか岩館真理子とか
そういうのたくさん読んだんだろうねー、ってな話を
昔友達としたことがある。
しかし読んだからといってみんなが書けるわけではない。
実力が乏しければ、ちゃっかりそっくり設定やいいセリフをいただいて
ハイできあがり、になりかねない。
ほら前にあったでしょ? 紡木たくの(以下略)トクントクン。

話を北川悦吏子に戻して、
『オレンジデイズ』は彼女の過去の作品の焼き直しの部分がとても多い。
しかし彼女の作品を初めて見た人にはおもしろく見られる水準だと思う。
脚本家には作品を見ているとその人の得意なパターンというのがある。
脚本の偉い人にはみんなあるように思う。
鎌田敏夫も山田太一も倉本聡も橋田寿賀子も花登筐も(どんどん古いね)みんな。
ファンはそこを真骨頂として楽しむ場合もあるので
まぁ既視感を感じたからと言ってそれほどがっくりすることもないと思うのだ。
繰り返しやってくださいよ、というかんじ。

このドラマでよかったのは、沙絵を障害を負った人としてでなく、
普通の女の子として、普通の恋愛ドラマとして描けていたところだと思う。
私達は…というか私は、障害を持っている人をひとつのタイプとして見がちだ。
障害を持つ人は、苦労人で健気ではかな気で、でも頑張り屋さんで心優しいと。
『星の金貨』の彩や『仔犬のワルツ』の葉音(見てないけど多分)みたいな感じ。
しかしそんなことはなくて障害を持つ人にもいろんな人がいて当たり前。
気が強かったりわがままだったりする人だって
健常者と言われる人と同じ割り合いでいるはずだ。
そこを描くのが北川悦吏子は上手いと思う。
今までも作品の中で聴覚を失った青年や脚の不自由なヒロインを描いたが
それぞれが、ステレオタイプでない一人の人間として表現できていたと思う。
沙絵の耳は恋愛ドラマにおける、
立ちはだかった大きな一つの壁として用いられている。
障害を主軸にしたドラマはたくさんあるので
こういうのもいいのではないかと思う。

しかしながら凡作と言ったからにはやはりちょっと物足りなさが残った。
上手だなと思う反面、型破りなものが見たい欲求はある。
セリフまわしもけれん味が強かったし。
「風月堂のゴーフル」とか、
そういう固有名詞にあざとさみたいなものを感じる。
セリフはすごく巧みだと思っていたので
こういうのはちょっと野島チック…
「みかん色の夕日」みたいでイヤだなと思った。

北川悦吏子のことばかリ書いたが
役者さんたちはみんな良かったと思う。
主役のふたりはあて書きだというから適役なのは当然としても
小西真奈美は横恋慕役が板について可哀想なくらい。
主題歌のミスチルもさわやかで○。

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オレンジデイズ DVD-BOX

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Comments

はじめまして。
オレンジデイス終わってしまいましたね(実は飛び飛びでしか観てません;;)
ご存じかもしれませんが『オレンジデイズ』のノベライズ本、表紙イラストはくらもちさんなんです(^^)
ちょっと関連あるかなぁ?と思いましたので、TBさせて頂きました。
それと、一部記事引用させて頂いてますので、もし問題等ございましたらお知らせ下さいm(_ _)m

Posted by: N耳 | 2004.06.22 at 01:16 PM

N耳さん、はじめまして(^^)。
TB&記事の紹介をありがとうございます。
ノベライズの表紙のことは全然知りませんでした!
対談していたのも知りませんでしたよ〜。
北川さん、やっぱりくらもちさんが好きなんですねー。
くらもちさん、私も大好きですよ。
私の心の漫画家ベスト3はくらもち・岩館・江口寿史なのです♪
でも確か前述の「少女マンガの匂い云々…」は
友達が言い出したことだと思ったのでちょっと得しちゃいました(^.^ゞ
blogを始めてから、自分と同じものを好きな人や、
興味の方向性が近い人が知らないところにたくさんいることを実感して
とても幸せな気持ちになります。
そんなわけで今後ともよろしくお願いします。
リスペクトを込めてTB返し&古い記事で恐縮ですが
『鉄人』と『MONSTER』にもTB。


Posted by: 110 | 2004.06.22 at 04:03 PM

TBありがとうございます。
私もその共通する二つの記事を拝見させて頂いてて
妙に嬉しかったんです(笑)

対談は何年か前になりますが、確か“お互いにファン”みたいな事をおっしゃってたと思います。
もっとも、世に出たのはくらもちさんの方が先ですが…。
くらもち・岩館はセットでお好きな方多いですよね、私は岩館作品は殆ど知らなかったのですが、最近読ませて頂く機会がありまして、その繊細で刹那的な作風に感嘆しました。
このお二人も互いにファン同士みたいですね(^^)

では長々と失礼致しました。
こちらこそ今後とも宜しくお願い致します。

Posted by: N耳 | 2004.06.23 at 12:23 PM

すごいすごい。「オレンジデイズ」について私が漠然と感じたことが全部書いてある。いろいろご指摘の点、まさにそうだと思います。

Posted by: バキオ | 2004.06.29 at 06:10 PM

バキオさん、コメントありがとうございます。
同じ感想を持っている方がいてうれしいですっ。
私も「純愛ブーム」の記事読んで同感だわ〜と思ったのでした。
また読みに行きますね〜。

Posted by: 110 | 2004.06.29 at 10:35 PM

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Tracked on 2004.06.22 at 12:21 PM

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