母の買い物
田舎にひとり暮らしの母がいる。
訪問販売に非常に弱い。
簡単にドアを開けてしまう。
今までに眉唾健康食品、眉唾浄水器、大量の樽入り味噌などを購入している。
秘密にしているのが他にもあるかもしれない。
CS放送の機器レンタル会員になったときは
20チャンネルも契約させられていた。
CNNやサッカーなど見るはずもないのに。
まぁそれは私が気づいた時点で
楽しめそうな6チャンネルセットに変更したけれど。
先日実家のある市内に嫁いでいる姉から電話があって、
今度は母が30万もする羽毛布団を購入したとこぼしていた。
「よく眠れるようになった」と母が喜んでいるので
あまり叱れなかった、と姉が言っていたので私も知らないふりをすることにした。
しかし30万とは法外な。今どきデパートで上等なのを買ったって5、6万だ。
しかも羽毛布団とはまたベタな。20年も前から聞くではないか。
「訪問販売は怪しい商品も多いし、相場より高いし、
不都合が生じた時には会社がなくなってることもあるから
買いたいものは自分で出かけて行って吟味して買うほうがいいよ」
と、何度も注意しているのに
なぜ母は繰り返し訪問販売のドアを開けてしまうのか。
すでに仕事を引退し、年金だけが頼りの母に
それほど余裕があるとも思えない。
母は寂しいんだろうか。
「気さくに話し相手をしてくれる優しい人」から
つい買ってしまうのではないだろうか。
明らかにカモにされている。
自分の親が悪徳商法のカモにされているかと思うと無性に腹が立つ。
母はのんきにちょっと大きな買い物をして満足しているようだが
いつか騙されて大きな負債をかかえたりしやしないか不安になる。
離れて暮らしていると、たまに実家に帰った時
ドアに怪しい記号の落書きが書かれていないか
チェックすることくらいしかできないのが歯がゆい。
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